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- 2023年9月28日
- 顎骨壊死を引き起こさないために
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要介護にならないために
骨粗しょう症の治療薬『ビスホスホネート製剤』
厚生労働省の2019年国民生活基礎調査によると「介護が必要になった原因」の4位が骨折・転倒でした。
骨粗しょう症の治療でもっともよく使われる薬に、ビスホスホネート製剤があります。
この薬を使用すると椎体や大腿骨の骨折が減ることが分かっています。
これらは寝たきりや要介護に直接つながる骨折のため、骨折予防として多くの方に用いられています。~介護が必要になった原因~
1位 認知症
2位 脳血管疾患(脳卒中)
3位 高齢による衰弱
4位 骨折・転倒顎骨壊死とは
あごの骨の組織や細胞が局所的に死滅し、
骨が腐った状態になる病気です。顎骨壊死の原因
あごの骨は薄い粘膜(歯肉)で覆われているだけなので、
粘膜の損傷、歯周病、抜歯などで骨が容易に露出します。
口の中には感染源となる細菌がたくさん存在しています。
露出した骨に細菌感染が起こると顎骨壊死が引き起こされます。顎骨壊死と骨粗しょう症治療薬との関連
骨粗しょう症治療に使われるビスホスホネート製剤や抗ランクル抗体薬などの「骨が壊されるのを抑える薬」は、骨折のリスクを低減するほか、がんの骨転移抑制、関節リウマチでは関節の骨破壊の進行抑制などの効果が期待できることから、広く用いられています。
その一方で、顎骨壊死に関係することが分かっています。※ビスホスホネート製剤や抗ランクル抗体薬の使用中に、下記の要因が一つでも加わると、顎骨壊死を引き起こす可能性があります。
・抜歯などの外科治療
・口の中が汚れている
・不適合な義歯
・歯周病顎骨壊死は一度発症すると、非常に治りにくい病気です。
なにより予防が大切です。顎骨壊死を防ぐために
☆これからビスホスホネート製剤・抗ランクル抗体薬による治療を始める方は、薬の使用前に抜歯などの外科処置や歯周病の治療を済ませておくことが大切です。
☆既にビスホスホネート製薬・抗ランクル抗体薬による治療を行っている方はむし歯や歯周病の予防、進行抑制のために、定期的な歯科受診による口腔管理が重要です。
義歯の管理も行い、顎骨壊死のリスクを低減させることが大切です。忘れずに!歯科受診の際には、歯科医師に
「骨粗しょう症の薬を服用・使用している」ことをお伝えください。処方時に受け取るカードやお薬手帳を活用しましょう。
ビスホスホネート製剤や抗ランクル抗体薬は骨粗しょう症の治療や予防に有用な薬です
主治医の指示通りに継続して服用・使用することが大切です。
顎骨壊死に対する積極的な治療法はないため、予防に努め、万一発症した場合は主治医の判断のもと、一時的に使用を中止し、かかりつけ歯科医と連携をとりながら重症化を防ぐ治療を行います。
不明な点は、主治医あるいはかかりつけ歯科医にご相談ください。
顎骨壊死を防ぐためには、かかりつけ歯科医を持つことも大切です。