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- むし歯になりやすい時期 ~ライフステージとむし歯リスクの関係~
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- 2023年2月7日
- むし歯になりやすい時期 ~ライフステージとむし歯リスクの関係~
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年齢による口腔内生活環境の変化によって、むし歯のリスクは変動します。
各ライフステージにおけるリスクを知って、むし歯の予防を心がけましょう。
乳児期 生後6か月頃
特徴
・乳歯が生え始める…生えたばかりの乳歯はエナメル質が未熟で柔らかい
・離乳食が始まる…哺乳瓶にジュースを入れて与えること、卒乳時期が遅いことなど、口腔内が酸性の状態になりやすい
・歯みがきの開始時期が遅い
・フッ化物配合歯磨剤の利用開始時期が遅い
幼児期 3歳頃
乳歯が生えそろう
特徴
・親と同じものを食べ始める
・親の唾液から虫歯菌が感染しやすい
・お菓子やジュースをダラダラ飲食する習慣がつく
学童期 6歳~10歳頃
永久歯が生え始める
特徴
・未成熟なエナメル質(永久歯)…石灰化が完全に進むまで2~4年かかる
・乳歯と永久歯が混在して凸凹の歯ならびになり、磨き残しが増える
・自分で歯磨きするようになる
・親の仕上げ磨きが少なくなる
子供のむし歯の多くは歯の溝(小窩裂溝)から発生していることが多いですが、小窩裂溝は細くて深いので、歯ブラシの毛先は届きません。そのため子供のむし歯の予防には、歯科医院での小窩裂溝を埋めるシーラント、歯質を強化するフッ化物の利用(市販のフッ化物配合歯磨剤の利用や歯科医院でのフッ化物塗布などがあります)が特に重要になります。
歯と歯の間のむし歯も多くみられます。この部分のむし歯予防にはフロスの使用が効果的です。ハミガキを始めるタイミングでフロスの練習もすると良いでしょう。
また、砂糖を含んだ飲食物をダラダラ食べないこと、寝る前の2時間以内の飲食を控えること、すみずみまで丁寧な歯みがきをすることも大切です。
思春期 12歳~18歳頃
永久歯が生えそろう
特徴
・お小遣いで買い食いが出来る
・部活でスポーツドリンクを頻繁に飲む
・成長ホルモンの変化で歯肉炎が増える
・仕上げ磨きをすることがほとんどない
~生活環境や食生活でむし歯になる確率が高くなります!~
成人期 20歳~50歳
歯質が成熟する
特徴
・働き盛りで歯医者に通う時間がなくなる
・歯肉炎の原因となるタバコやお酒がOKになる
・治療した歯が再び虫歯になりやすい
・頻回の食事により、口腔内が酸性の状態が長く続く(妊娠期)
・女性ホルモンの増加で歯肉に炎症が起きやすい(妊娠期)
高齢期 60歳以降
歯質、歯槽骨の衰えがみられる
特徴
・歯肉がやせて歯の根が見える
・生活習慣病が増える
・唾液分泌量の低下
・咀嚼機能の低下
これまでの生活習慣や歯のケア不足が原因で歯の喪失率が高くなります
大人のむし歯も子供と同様に歯の溝、歯と歯の間、歯の歯ぐきの境い目の部分などから発生するむし歯が多いです。また、むし歯の治療に用いた歯の詰め物の裏側のむし歯(二次う蝕)が増えてきます。歯の詰め物と歯との間に隙間があると、細菌が進入してしまうため、むし歯を発生させる可能性があるのです。このむし歯はもともと歯の治療がしてあるため、より歯の奥深くに進行することが多く、神経に達するむし歯の原因となります。治療した歯がダメになる原因のひとつでもあります。また歯の神経を抜いた歯の場合、むし歯の痛みが分からずに気付くのが遅くなる傾向にあります。
歯周病により歯の根面が露出した部分に発生するむし歯(根面う蝕)もあります。根面は、エナメル質より柔らかい象牙質に覆われているため、むし歯になりやすいのです。奥歯での発生は見つかりにくいため、気づくのが遅くなりがちです。全身的な活動能力の低下や薬物の服用により、唾液が減少した高齢者では根面のむし歯が多発することがあります。
全体的なまとめ
むし歯を予防して、むし歯が原因で歯を失うことを未然に防ぐために、ハミガキや生活習慣の改善などのセルフケアはもちろんのこと、歯科医院での定期健診をお勧めいたします!